福岡のAIセミナーはどこで受けられる?無料の公的セミナーと有料研修の線引き
2026-08-26 執筆: 今長 学(Exist Japan株式会社 代表取締役)
「福岡でAIセミナーを探しているのですが、無料のものはありますか」
このご質問には、はっきり「あります」とお答えしています。福岡県は企業向けの支援メニューの数が九州で群を抜いており、条件が合えば費用をかけずにAIの入り口を体験できます。
一方で、無料のセミナーだけでは届かない領域があるのも事実です。この記事では、福岡でAIセミナー・AI講座を受けられる場所を実在する窓口だけで整理し、そのうえで「無料で足りる場合」と「有料の研修が要る場合」の線引きをご説明します。
まず知っておきたい:福岡は支援窓口が多い県
福岡県には13万1千社の中小企業があり、県内企業数の99.8%を占めます。従業者数でみると131万8千人、県内従業者数の77.3%です。
これだけの企業を支えるため、県・市・商工会議所・財団と、支援の入り口が幾重にも用意されています。ただし数が多いぶん、どれが自社に当てはまるのか分かりにくいのが実情です。以下、対象と費用で分けて並べます。
【無料】福岡市内の企業なら「ふくおかデジタルプラス」
福岡市内に事業所がある中小企業であれば、まずここです。
福岡市中小企業デジタル活用支援事業(ふくおかデジタルプラス)
- 実施:福岡市経済観光文化局 経営支援課(運営委託:株式会社フォーバル)
- 対象:福岡市内の中小企業
- 費用:無料(デジタル化スタート診断・セミナー・相談窓口)
- 個別伴走支援:20社程度を選考
- 期間:令和8年度/セミナーは回ごとに申込締切が異なります(6月18日締切〜10月6日締切)
- お問い合わせ:0120-81-4086(平日9〜18時)
- 公式:https://digital-fukuoka.jp/
補助金ではなく、診断・セミナー・伴走支援そのものが無料という仕組みです。福岡市内の企業なら、費用をかける前にまずこちらを試す価値があります。
セミナーは回ごとに申込締切が違うため、公式ページで開催予定をご確認ください。個別伴走支援は選考制で枠が限られている点にはご注意ください。
【無料相談】県内どこでも「福岡県中小企業“稼ぐ力”応援センター」
福岡市内に限らず、県内企業が最初に当たるべき窓口です。
福岡県中小企業“稼ぐ力”応援センター(令和8年5月18日開所/旧・福岡県中小企業DX推進センター)
デジタル技術に詳しいアドバイザーが、現場の見える化からシステムの導入・活用・定着までを伴走支援します。
- 所在地:福岡市博多区吉塚本町9-15
- 電話:092-292-8890
- 公式:https://www.f-seisanseikojo.jp/
ここを最初に挙げるのには理由があります。福岡県の補助金(福岡県中小企業生産性向上・賃上げ緊急支援補助金)は、このセンターの支援を受けていることが申請条件だからです。補助金を検討するなら、どのみち通る道になります。
なお、この補助金の令和7年12月補正分は6次募集(令和8年8月17日正午)で受付を終了しており、次回募集は未定です。次を狙う場合も、センターのアドバイザーと一緒に「DX・生産性向上支援計画」を作るところから始まるため、早めの相談が要ります。
【セミナー・相談】福岡商工会議所の「YOKA-DIGI」
福岡中小企業デジタル化・DX推進コンソーシアム(YOKA-DIGI)
福岡商工会議所、NTT西日本九州支店、QTnet、リコージャパン福岡支社が設立した枠組みです。デジタル化相談、セミナー、ツール導入支援を行っています。
- 窓口:福岡商工会議所 中小企業振興グループ(092-441-1146)
- 公式:https://www.fukunet.or.jp/keieisodan/digital-tool/
商工会議所が入っている枠組みなので、会員企業の方は普段の相談の延長で使えます。
【技術者向け】福岡半導体リスキリングセンター
半導体関連のサプライチェーンにいる企業は、こちらも選択肢に入ります。
福岡半導体リスキリングセンター(令和5年8月開設/運営:公益財団法人福岡県産業・科学技術振興財団)
- 実績:令和7年3月末までの受講者1万248名
- 目標:令和9年度までの5年間で2万5千人の育成
- 公式:https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/risukiringu.html
ここは半導体の技術そのものを学ぶ場です。「日々の事務仕事をAIで減らす」という目的とは狙いが違うため、混同しないほうがよい窓口です。技術者を育てるのはこちら、事務や管理の時間を減らすのは業務効率化の研修、という使い分けになります。併用して差し支えありません。
【地域別】北九州市・その他の地域の窓口
北九州市 ロボット・DX推進センター 北九州産業学術推進機構(FAIS)が運営する、北九州市内企業向けの拠点です。市のDX推進補助金の窓口にもなっています。
- 所在地:北九州市若松区ひびきの北8-1/093-695-3077
- 公式:https://www.ksrp.or.jp/robo-dx/
福岡県 中小企業振興事務所(県内4か所) 地域ごとの相談拠点です。お住まいの地域から近い事務所で相談できます。
| 事務所 | 電話 | |---|---| | 福岡 | 092-622-1040 | | 北九州 | 093-512-1540 | | 久留米 | 0942-33-7228 | | 飯塚 | 0948-22-3561 |
公式:https://www.pref.fukuoka.lg.jp/soshiki/9100013.html
公益財団法人 福岡県中小企業振興センター 昭和41年設立、県内中小企業の中核的支援機関です。経営課題をワンストップで受け、情報化の支援や電子商取引の推進も担っています。
- 所在地:福岡市博多区吉塚本町9-15/092-622-6230
- 公式:https://www.joho-fukuoka.or.jp/
無料で足りる場合と、有料の研修が要る場合
ここからが本題です。無料のセミナーは価値がありますが、万能ではありません。両者は役割が違います。
| | 無料の公的セミナー | 有料の企業研修・講座 | |---|---|---| | 主な内容 | 全体像の解説、他社事例、制度案内 | 自社業務に合わせた演習、実物を使った実習 | | 対象 | 主に経営者・担当者個人 | 社員全体、または特定の推進役 | | 日程 | 主催者が決めた日時 | 自社の都合に合わせて調整 | | 教材 | 汎用の例題 | 自社が実際に使っている書類 | | 定員 | 数十名規模が多い | 少人数〜全社員 | | 向いている段階 | 「AIで何ができるのか分からない」段階 | 「やることは決まった、社員に落としたい」段階 |
判断の目安を、そのまま言葉にします。
無料のセミナーで足りるのはこんな場合
- AIで何ができるのか、まだイメージがついていない
- 社内で「やるかどうか」の合意ができていない
- まず自分(経営者)が一度触ってみたい
- 補助金・助成金にどんなものがあるか知りたい
この段階で有料研修を入れると、社内が乗っていないまま研修だけ終わるという結果になりがちです。順番として無料の窓口が先です。
有料の研修が必要になるのはこんな場合
- 社員全員に、同じ日に同じ内容を届けたい
- 自社の実際の書類・業務でやらないと、社員がイメージできない
- 特定の業務(見積・報告書・議事録など)を名指しで減らしたい
- 社内に「自分で仕組みを作れる人」を育てたい
- 日程を自社の都合で決めたい(繁忙期を外すなど)
無料のセミナーは「知る」ため、有料の研修は「変える」ため、と整理すると迷いません。
研修費用に使える助成制度(2026年8月時点)
有料研修を検討する段階になったら、費用の出どころも合わせて確認してください。
北九州市内の企業なら:生産性向上支援助成金(一般枠) 対象経費に「業務上必要な能力の向上やリスキリングなど従業員のスキルアップに要する経費」が明記されています。助成率2分の1以内・上限100万円/下限30万円。令和8年12月4日(金)まで募集(予算額に到達次第終了、事業は令和9年1月7日までに完了)。 出典:北九州産業学術推進機構 中小企業支援センター
全国共通:人材開発支援助成金(厚生労働省) 人材育成支援コース、事業展開等リスキリング支援コースなど6コースがあります。 ⚠️ 令和7年9月1日から建設分野以外の受付窓口が移転しました。現在は「福岡助成金センター第二庁舎」(福岡市博多区博多駅東1-18-25 第五博多偕成ビル6階/092-402-0539)です。 ⚠️ 訓練開始前に計画届が必要です。セミナーや研修の日程を決めてから相談すると間に合いません。 出典:福岡労働局 各種助成金
ツール導入とセットなら:中小企業デジタル化・AI導入支援事業(旧IT導入補助金) 2026年度から「IT導入補助金」より名称が変わりました。通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠は2026年9月29日(火)17:00、複数者連携枠は2026年10月30日(金)17:00が締切です。ツール導入が対象なので研修単体には使いにくいものの、AIツールを全社に入れる計画とセットなら候補になります。 出典:中小企業基盤整備機構
当社は補助金の申請代行を行っておりません。制度の確認・申請は、上記の各窓口へご相談ください。
当社のAIセミナー・AI講座について
福岡AIスクール(運営:Exist Japan株式会社/代表 今長 学)でも、生成AI・AIエージェントのセミナーと講座を行っています。生成AI研修の受講者は累計500名以上、登壇は200回以上です。
現在ご提供しているのは、次の3つの形です。
1. 企業向けAI研修(3時間・出張またはオンライン) 社員の皆様が「明日から使える」状態になることを目的とした、ハンズオン中心の研修です。御社が実際に使っている書類を持ち込んでいただけます。10名まで16.5万円、11〜50名22万円、51名以上27.5万円(いずれも税込)。講師は大分から出張し、出張費は実費で事前にお見積りします。オンラインでの実施も可能です。
2. 実践型AI講座(2日間・少人数1〜6名) 経営者・個人事業主の方向けに、AI秘書づくり・Instagram投稿の自動化・自社サイト制作の3講座をご用意しています。受講料は各440,000円(税込)。オンライン開催が基本で、対面をご希望の場合は福岡県内へ出張します。 日程はご相談のうえ決定します。
3. AI顧問(週1回90分×6ヶ月) 社内にAI活用の推進役(CAIO)を育てる伴走型のサービスです。月額33万円(税別)。
公開セミナーの開催が決まった場合は、AIセミナー開催情報のページでお知らせします。企業内での開催(出張AIセミナー)は、いつでもご相談いただけます。
まとめ:おすすめの順番
福岡でAIセミナーを探している方への、実務的な順番はこうなります。
- 福岡市内なら「ふくおかデジタルプラス」で無料の診断とセミナーを受ける(0120-81-4086)
- 県内どこでも「稼ぐ力応援センター」に相談する(092-292-8890)。県の補助金を狙うなら必須の入り口
- 商工会議所の会員なら、YOKA-DIGIの相談・セミナーも併用する
- 半導体関連なら、福岡半導体リスキリングセンターを技術者育成に使う
- 「やることが決まった」段階で、有料の研修を検討する。日程を決める前に助成金の窓口へ相談する
無料の窓口を使い切ってから有料に進む。この順番なら、無駄がありません。
※本記事の制度内容は2026年8月26日時点で各公式ページに掲載されていた内容です。要件・金額・期限は変更されることがありますので、申請前に必ず公式ページでご確認ください。当社は補助金の申請代行を行っておりません。